Career Data

介護休業を戦略的に使う方法|93日の分割設計と給付金活用

公開日
2026年6月27日
読了時間
読了 5分
働き方両立支援制度活用
この記事のまとめ

介護休業は対象家族1人につき3回・通算93日まで分割でき、雇用保険から賃金の67%相当が支給される。2025年4月改正で40歳時の情報提供義務も始まった。本記事では制度仕様、利用率1.9%の現実、給付手続き、両立支援との組み立てまで統計で整理する。

目次

  1. 介護休業の基本仕様と分割取得の設計
  2. 事業所データが示す利用率の実態
  3. 給付金67%で収入減を抑える手順
  4. 休業以外の両立支援制度の組み立て
  5. 専門家知見から読む離職抑制の条件
  6. 戦略的な取得タイミングの決め方
  7. まとめ

介護休業の基本仕様と分割取得の設計

介護休業は2週間以上の常時介護が必要な対象家族1人につき、通算93日まで3回に分けて取得できる。開始予定日の2週間前までに書面等で申出する。

出典: 厚生労働省 介護休業制度特設サイト『介護休業』(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/leave/, 閲覧日2026-08-22)

介護休業の取得から復帰までの流れ

2025年4月改正では個別周知・意向確認と40歳到達年度の情報提供が義務化され、勤続6か月未満除外の労使協定も廃止された。

出典: 厚生労働省 介護休業制度特設サイト『法改正のポイント』(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/law-amendment/, 閲覧日2026-08-22)

事業所データが示す利用率の実態

令和6年度雇用均等基本調査では、介護休業者がいた事業所は1.9%、介護休暇は3.6%。女性89.0%、男性40.5%という育児休業との差は歴然で、壁は制度の不在よりも認知にある。

出典: 労務ドットコム編集部『介護休業の取得者がいた事業所は1.9% 介護休暇は3.6%』(https://roumu.com/archives/128524.html, 閲覧日2026-08-22)

制度別の取得者あり事業所割合

介護労働安定センター調査(令和6年度)では、両立支援制度を「知っている」者の職場で仕事を続けられる割合は38.2%、「よく知らない」者は29.6%。マイナビ人事調査では36.9%が環境整備を未実施、20.2%が介護社員数を未把握だ。

出典: 公益財団法人介護労働安定センター『事業所における介護労働実態調査(令和6年度)』結果報告書 p38(https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_jigyousyo_honpen1.pdf, 閲覧日2026-08-22)

出典: 株式会社マイナビ『企業におけるビジネスケアラー支援 実態調査』n=618(https://www.mynavi.jp/news/2025/09/post_50190.html, 閲覧日2026-08-22)

給付金67%で収入減を抑える手順

所得は雇用保険の介護休業給付で補償される。支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で、平均月額15万円なら約10万円、20万円なら約13.4万円、30万円なら約20.1万円が目安だ。手続きは原則事業主経由でハローワークへ提出する。

出典: 厚生労働省『Q&A~介護休業給付~について』(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158665.html, 閲覧日2026-08-22)

月収別の介護休業給付額目安

休業以外の両立支援制度の組み立て

介護は長期化するため休業だけでは完結しない。所定労働時間の短縮やフレックスタイム制などの措置を、利用開始から3年以上の間で2回以上講じるのが事業主の義務だ。介護休暇は年5労働日(対象家族2人なら10日)。深夜業(午後10時〜午前5時)の制限は1か月以上6か月以内の期間単位で請求でき回数制限はない。

出典: 厚生労働省『育児・介護休業法の解説』p61-97および介護休業制度特設サイト『深夜業の制限』(https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355358.pdf, 閲覧日2026-08-22)

経済産業省試算では2030年にビジネスケアラーは約318万人、両立困難による経済損失は約9兆円規模とされる。パーソル総研定点調査でも離職不安は2018年23.3%から2024年26.6%へ上昇し40代が最も高い。

出典: パーソル総合研究所『高齢化社会で求められる仕事と介護の両立支援』(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/thinktank-column/202405310001/, 閲覧日2026-08-22)

専門家知見から読む離職抑制の条件

JILPT研究報告No.204は、他の法定制度の相関を統制しても介護休業に有意な離職抑制効果があることを示した。池田心豪副統括研究員は介護者の多くが年休等で柔軟に対処し連続休業ニーズは限定的と指摘する。重心は「いつ休むか」より「何へ接続するか」だ。

出典: 労働政策研究・研修機構(JILPT)リサーチアイ第82回『介護離職問題とEBPM』(https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/082_240724.html, 閲覧日2026-08-22)

戦略的な取得タイミングの決め方

手順は四段階だ。第一に40歳時の情報提供を起点に自社制度と申出先を確認する。第二に初期に短期の介護休業を配置しケアマネジャー選定などを進める。第三に長期化が見込まれる段階で残り日数を分割確保し、短時間勤務や所定外労働の免除へ移行する。第四に評価影響を避けるため業務範囲合意を書面で残す。

キャリアコンサルタント実務でも鍵は退職回避と職務継続の証明だとされる。マイナビ就業者調査ではワーキングケアラーの48.8%が昇進したいと回答し非介護実施者を12.8ポイント上回る。

出典: 株式会社マイナビ『ワーキングケアラーの実態に関する調査』n=7930(https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260722_112478/, 閲覧日2026-08-22)

まとめ

介護休業の骨格は対象家族1人につき3回・通算93日、給付67%。利用率1.9%は認知と事前設計の不足を示す。分割取得、両立支援への接続、評価合意まで一本の線で描いて初めて戦略になる。まずはキャリアアップAIで両立支援制度が整った企業の求人を検索し、介護期に入る前に職場の体制を確認しよう。

キャリアアップAI

あなたも履歴書をAIに分析させてみませんか?

最短2分で、マッチ率・年収・勤務地つきの最適な求人を比較できます。完全無料。

おすすめ関連記事

← 記事一覧に戻る