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大企業と中小企業の生涯賃金差|退職金で開く1470万円の実数

公開日
2026年7月6日
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生涯賃金年収キャリア戦略
この記事のまとめ

大企業を100とした中小企業の賃金水準は72.6で、50代前半には64.4まで差が拡大する(JILPT加工データ)。年間ボーナスは大企業163.6万円に対し小企業71.1万円、モデル退職金差は2,563.9万円対1,091.8万円の1,472.1万円。生涯賃金差は月給だけでなくボーナス・退職金・制度普及率の複合で決まる。

目次

  1. 月給に見る企業規模間賃金格差の構造
  2. 年齢が上がるほど広がる昇給カーブの差
  3. ボーナスと退職金で二重に効く規模差
  4. 学歴・公務員と並べた生涯賃金の全体像
  5. まとめ

月給に見る企業規模間賃金格差の構造

令和6年賃金構造基本統計調査では一般労働者の平均賃金は330.4千円で前年比3.8%増。その中で規模別格差は構造的に存在し、JILPT加工データを用いたワークス研究所の分析では大企業100に対し中企業81.5、小企業72.6と国際的にも大きい。

出典: 厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査の概況』(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html, 閲覧日2026-08-22)
出典: リクルートワークス研究所『企業規模間の賃金格差、古くて新しい課題』(https://www.works-i.com/column/policy/detail008.html, 閲覧日2026-08-22)
初任給は規模間で大きな差がなく、賃上げ率にも過去40年大きな差がない。キャリアとともに差が固定化されていく仕組みだ。 企業規模別の賃金水準格差

年齢が上がるほど広がる昇給カーブの差

規模間の差は年齢とともに広がる。大企業を100とした現金給与額は25〜29歳で中企業87.8、小企業80.0だが、50〜54歳では77.1、64.4へ落ち込みピーク水準自体が低い。

出典: 厚生労働省『労働統計要覧』2015年版(リクルートワークス研究所コラム引用)(https://www.works-i.com/column/policy/detail008.html, 閲覧日2026-08-22)
背景は3点ある。大企業ほど管理職ポストが多く昇格機会が多いこと、教育訓練費が大企業1人当たり月1,519円に対し小企業424円と違うこと、元請け・下請けの取引関係が立ち位置を固定化させることだ。日本商工会議所調査では賃上げ率は全体4.01%に対し20人以下3.38%だが、0.63ポイントの差は残る。

出典: 日本商工会議所『中小企業の賃上げ・賃金改定に関する調査』n=2,260(https://www.jcci.or.jp/news/research/2026/0608113015.html, 閲覧日2026-08-22)

ボーナスと退職金で二重に効く規模差

賞与も規模順だ。毎月勤労統計調査では500人以上の冬季ボーナス平均64万2,349円に対し5〜29人企業27万4,651円と2倍超の差があり、doda調査でも年間支給額は大163.6万・中115.3万・小71.1万円となる。

出典: パーソルキャリアdoda『ボーナス平均支給額の実態調査』(https://doda.jp/guide/bonus, 閲覧日2026-08-22)
出典: HRBrain(毎月勤労統計調査引用)(https://www.hrbrain.jp/media/labor-management/bonus-average, 閲覧日2026-08-22)
退職金では差がさらに鋭くなる。令和5年就労条件総合調査では制度を持つ企業割合が1000人以上90.1%、100〜299人84.7%、30〜99人70.1%と開き、大学卒の定年退職者1人平均は2,261万円である。大卒モデルは中小1,091.8万円に対し大企業総合職2,563.9万円で、差は1,472.1万円に達する。

出典: 厚生労働省『令和5年就労条件総合調査 結果の概況』(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/index.html, 閲覧日2026-08-22)
出典: 東京都産業労働局『中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)』(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/r4/, 閲覧日2026-08-22)
出典: 中央労働委員会『令和3年賃金事情等総合調査』(https://www.mhlw.go.jp/churoi/chousei/chingin/21/index.html, 閲覧日2026-08-22)
ボーナスと退職金に現れる規模差

学歴・公務員と並べた生涯賃金の全体像

ユースフル労働統計2024推計の60歳までの生涯賃金は、男性が高校卒2億1,560万円に対し大学卒2億6,280万円、女性は高校卒1億5,790万円に対し大学卒2億990万円だ。

出典: 労働政策研究・研修機構(JILPT)『ユースフル労働統計2024』21 生涯賃金など生涯に関する指標(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2024/documents/useful2024_21_p301_331.pdf, 閲覧日2026-08-22)
公務員と並べると全体像が見える。人事院データに基づくFP試算では、65歳まで働いた場合の生涯賃金は国家公務員約3億500万円、地方公務員約2億8,000万円、1000人以上の大企業約3億500万円と国家公務員と大企業が同水準だ。転職市場でも雇用動向調査の転職入職者賃金増加40.5%が減少29.4%を上回り、規模シフトは現実的なレバーである。

出典: ファイナンシャルフィールド『公務員と大手会社員の生涯賃金比較』(https://financial-field.com/income/entry-450700, 閲覧日2026-08-22)
出典: 労政時報(令和6年雇用動向調査解説)(https://www.rodo.co.jp/column/204733/, 閲覧日2026-08-22)
生涯賃金の全体像比較

まとめ

大企業と中小企業の生涯賃金差は、月給格差にボーナス約2倍、退職金1,472.1万円、制度普及率10ポイント超の差が重なって形成される。初任給では差がなく年齢とともに拡大するからこそ、判断は早いほど効く。規模は学歴や性別と違い転職で動かせる要因だ。

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