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残業時間の少ない業界ランキング|最新データで見る実態と選び方

公開日
2026年8月22日
読了時間
読了 6分
残業時間業界研究ワークライフバランス
この記事のまとめ

日本の月間平均所定外労働時間は10.0時間(厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和6年分)で減少傾向が続く。最も少ない宿泊業・飲食サービス業4.9時間に対し、最も多い運輸業・郵便業は19.8時間と約4倍の差がある。シフト制と定型業務を中心とする業界ほど残業が短くなる構造を、政府統計と民間調査の両面から整理した。

目次

  1. 全産業の残業時間は3年連続で減少している
  2. 残業が少ない業界ランキング(政府統計)
  3. 職種別では事務系職種が最も短い
  4. 業界平均だけでは判断できない理由
  5. 上限規制が残業削減を後押しする
  6. まとめ

全産業の残業時間は3年連続で減少している

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、令和6年の月間平均所定外労働時間は10.0時間(就業形態計、事業所規模5人以上)で、前年比2.8%減となった。民間側でも、パーソルキャリア(doda)が20〜59歳約1万5000人を対象にした調査で2025年4〜6月の平均残業時間は20.6時間となり、2022年の22.2時間から3年連続で減っている。

出典: 厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報』p.1(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/24cr/dl/pdf24cr.pdf, 閲覧日2026-08-22)
出典: パーソルキャリア『2025年の平均残業時間の実態調査』p.1(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000946.000022215.html, 閲覧日2026-08-22)
休日面の改善も進む。就労条件総合調査(令和6年)では労働者1人平均の年間休日総数は116.4日、年次有給休暇取得率は65.3%と、いずれも昭和60年代以降で最高水準に達した。残業が少ない業界の所定外労働時間

出典: 厚生労働省『令和6年就労条件総合調査 結果の概況』p.1(https://ailabor.or.jp/new_rodo/entry-13565.html, 閲覧日2026-08-22)

残業が少ない業界ランキング(政府統計)

毎月勤労統計調査の産業別データでは、所定外労働時間が最も短いのは宿泊業・飲食サービス業の月4.9時間である。以下、生活関連サービス・娯楽業5.5時間、医療・福祉6.0時間、教育・学習支援業7.5時間、金融業・保険業8.5時間と続き、全産業平均10.0時間を大きく下回る。

ランク残業が少ない業界月間所定外多い業界月間所定外
1位宿泊業・飲食サービス業4.9時間運輸業・郵便業19.8時間
2位生活関連サービス・娯楽業5.5時間電気・ガス・熱供給・水道業16.0時間
3位医療・福祉6.0時間情報通信業15.7時間
4位教育・学習支援業7.5時間建設業14.0時間
5位金融業・保険業8.5時間製造業13.0時間

最上位と最下位の差は14.9時間で、約4倍に達する。背景には業務の性質がある。宿泊飲食や小売はシフト制で営業時間内の配置が完結しやすく、医療福祉や教育は診療・授業といった定時業務が中心となる。職種別の平均残業時間比較

職種別では事務系職種が最も短い

dodaの職種別データでも同じ傾向が確認できる。残業が短い職種上位は医療事務10.5時間、一般事務11.0時間、販売接客11.9時間であり、職種分類別では事務・アシスタント系が最も短い。反対に多いのは総合商社営業29.8時間、運送業28.0時間などで、職種選択が労働時間を左右する構造が数字で裏付けられている。

出典: パーソルキャリア(doda)『平均残業時間ランキング【91職種別】』p.1(https://doda.jp/guide/zangyo/, 閲覧日2026-08-22)
JILPTリサーチアイの分析では、コロナ禍以降に生じた残業削減の流れは宣言解除後も継続しており、雇用形態ごとに回復度に差があると整理されている。専門家知見として、残業削減は景気変動ではなく制度面・意識面の変化による部分が大きい点が指摘されている。平均残業時間の年度別推移

出典: 労働政策研究・研修機構(JILPT)高見具広『コロナ下の労働時間変動を読み解く』JILPTリサーチアイ第48回 p.1(https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/048_201027.html, 閲覧日2026-08-22)

業界平均だけでは判断できない理由

統計上の平均値には限界がある。第一に、同じ業界内でも企業規模・事業内容によって残業は大きく変わる。第二に、パートタイム労働者を含む政府統計は全体平均が低めに出る一方、doda調査のような正社員中心の数値は実感に近い水準を示す。両者の乖離は月10時間程度あり、読み比べが必要になる。第三に、固定残業代を含む求人では記載の時間数が想定残業の目安になるため、基本給との区分を必ず確認したい。エン転職の早期離職に関する調査では、入社前にネガティブな情報も含めて聞いていた人は離職を防げた割合が44%に達しており、事前の情報確認が定着に直結する。

出典: エン・ジャパン「早期離職」に関する実態調査 p.1(https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/42498.html, 閲覧日2026-08-22)

上限規制が残業削減を後押しする

働き方改革関連法により、時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間と法律で定められた。建設業と自動車運転業務は2024年4月から適用され、猶予期間の終了後は当該業界でも労働時間の適正化が進んでいる。実際、doda調査では建築・土木系エンジニアの一部職種で前回比7.5時間の減少が確認されている。上限規制の対象業界を選ぶ際は、規制適用済みかどうかが労働環境を見る一つの基準になる。

出典: 厚生労働省「建設業・ドライバー等の時間外労働の上限規制」特設ページ p.1(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html, 閲覧日2026-08-22)

まとめ

残業時間は業界・職種・企業の三層で決まり、政府統計上は宿泊飲食や医療福祉、教育などのシフト制・定型業務型が短い。全産業平均の所定外労働時間は月10.0時間まで低下し、年間休日と有給取得率も過去最高を更新している。転職時は業界平均だけでなく、企業単位の残業実績・固定残業代の明示・上限規制の適用状況を順に確認することが、入社後のミスマッチを防ぐ最短ルートである。

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