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上場企業平均年収692.6万円を読み解く|数字の見方と落とし穴|キャリアアップAI
- 公開日
- 2026年7月31日
- 読了時間
- 読了 5分

目次
- 過去最高692.6万円の中身を分解する
- 全国平均との差が示す上場企業の位置
- ランキングで誤読しがちな3つの罠
- 二極化時代の個人側の判断材料
- まとめ
過去最高692.6万円の中身を分解する
帝国データバンクが有価証券報告書に「平均年間給与」の記載がある上場約3700社を対象に行った調査によると、2025年度決算の平均年間給与は692.6万円だった。前年度671.1万円から21.5万円増(3.2%増)で、データのある2003年度以降で最高を更新し、月換算で約1.8万円の増加である。前年度から給与が「増加」した企業は76.8%に達した。

全国平均との差が示す上場企業の位置
国税庁『令和6年分民間給与実態統計調査』では、1年を通じて勤務した給与所得者5137万人の平均給与は478万円、正社員は545万円、正社員以外は206万円である。男女別では男性587万円・女性333万円だ。つまり上場企業平均692.6万円は、非正規を含む全国平均より214.6万円高い水準にある。

ランキングで誤読しがちな3つの罠
第一の罠は単体ベースの開示である。有価証券報告書の「従業員の状況」は提出会社単体の数値であり、純粋持株会社では本社少数の管理部門社員だけが平均に含まれる。アサヒグループHDのように連結従業員約3万人に対し単体155人程度の企業では、単体の高額な平均をグループ実態と同一視できない。
第二の罠は平均年齢の未補正である。平均年齢42歳で700万円の会社と、33歳で650万円の会社では昇給ペースの含意が異なる。第三の罠は業種差で、業種別上位は海運1120.1万円(唯一の1000万円超)、証券962.1万円、保険936万円、鉱業911.7万円が並び、小売業574万円とは2倍近い差がある。
二極化時代の個人側の判断材料
賃上げの内実にも偏りがある。2025年の平均賃上げ率5.52%(妥結額ベース)を上回る上場企業は952社・25.9%にとどまり、初任給引き上げ企業は89.1%(マイナビ調査)と採用競争が初任給インフレを招いた半面、40〜50代を対象とする「黒字リストラ」が2024年度以降目立ち始めたと帝国データバンクは分析する。専門家知見として同調査は「評価・報酬制度の再設計の必要性が問われる局面」と総括しており、人事側の設計変更が進行中である。
まとめ
上場企業平均年収692.6万円は過去最高を更新した確かな事実だが、中央値661.6万円、500万円台以下が34.8%、単体ベース開示という条件付きである。全国平均478万円との214.6万円の差は上場企業の位置を示す一方、業種・市場・年齢構成で大きく開く。数字そのものではなく、補正して読む習慣が転職判断の精度を決める。
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