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勤続年数と年収の相関はどこまで強い?賃金統計で読む判断軸
- 公開日
- 2026年7月23日
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- 読了 6分

目次
- 賃金センサスが示す勤続別の上昇幅
- 年功カーブは世代ごとに平坦化する
- 退職金で見る長期勤続の複利効果
- 転職と勤続のトレードオフを読む
- まとめ
賃金センサスが示す勤続別の上昇幅
厚生労働省『賃金構造基本統計調査』(賃金センサス)は、雇用形態・性別・学歴・勤続年数別など多様な切り口で賃金実態を明らかにする基幹統計である。令和6年調査によると、一般労働者の平均年齢44.1歳、平均勤続年数12.4年で、男女計の所定内給与は33.0万円。勤続年数階級別にみると、賃金が最も高い階級は男女計で30年以上の43.4千円、男性では25〜29年の45.8千円、女性では30年以上の36.0千円となっている。
年齢階級との対応で見ると、男性は55〜59歳で44.4万円(20〜24歳=100で189.6)が賃金のピークとなり、女性は45〜49歳の29.8万円(同129.2)で頭打ちになる。学歴別では高校28.9万円に対し大学38.6万円、大学院49.7万円、企業規模別では大企業564万円・中企業469万円・小企業403万円の差がある。つまり勤続年数の効果は性別・学歴・規模で変わる多重構造である。年功カーブは世代ごとに平坦化する
JILPT『早わかり グラフでみる長期労働統計』図5の勤続年数階級による賃金カーブは、1976年・1995年・2024年の比較で、勤続による上昇傾斜が世代を経るごとに緩くなっていることを示す。厚労省白書の時系列分析でも、20〜44歳までは勤続年数が減少傾向にあり、学卒後同一企業に継続勤務する標準労働者の割合は1989年から2009年にかけて大幅に低下した。
退職金で見る長期勤続の複利効果
勤続年数と年収の相関は退職給付で最も顕著に現れる。就労条件総合調査の大卒データでは、勤続20〜24年の退職給付合計額1267万円に対し25〜29年1395万円、30〜34年1794万円、35年以上2173万円と、勤続30年を境に増加幅が拡大する。退職所得控除も勤続20年超は800万円+70万円×超過年数と1年当たりの控除が40万円から70万円へ跳ね上がるため、税制面でも長期勤続が有利に設計されている。
ただし自己都合退職の支給率は会社都合の6〜8割に減額される規程が多く、退職理由次第で同じ勤続年数でも数百万円動く。また全国の平均勤続年数12.4年に対し女性は10.0年と短く、厚労省労働経済白書は女性フルタイム労働者のキャリア中断による賃金差が40代以降顕著になり55〜59歳で最大になると分析している。
転職と勤続のトレードオフを読む
転職側のデータも押さえたい。dodaの転職時年収変化調査では、転職後に年収が上がった人は約36%、下がった人は約33%で、上がった人の平均上昇額56万円より下がった人の下降額68万円の方が大きい。採用担当者への調査では、30代・40代は「転職回数は選考に影響しない」が最多回答だが、20代は「3回目から影響」が28.2%で最も多く、1社あたり3年の経験が目安とされる。
まとめ
賃金センサスは勤続30年以上43.4万円という単調な相関を示しつつも、世代ごとの平坦化と性差・規模差という構造を持つ。長期勤続の複利は退職金2173万円対1267万円という差として現れ、一方で転職者は自己都合8割強・スキル活用72%という実態にある。勤続か転職かは二択ではなく、「どの属性の賃金カーブに乗るか」という設計問題として統計から読み解くのが正しい。
まずはキャリアアップAIで履歴書を解析し、自分の経験年数が市場でどう評価されるかを確認したうえで、勤続継続と転職の判断軸にしてみてください。


