目次
- 転職回数の分布は年代で変わる
- 採用側が気にするのは3回目から
- 昇給率は2回目でピーク、50代で逆転する
- 回数より効く退職金と生涯賃金の分割
- まとめ
転職回数の分布は年代で変わる
転職回数の「多さ」は年代との相対値で決まる。マイナビ転職動向調査2024年版では転職経験者の回数は1回28.7%、2回23.5%、3回18.1%であり、男性では20代の48.9%が1回止まりである一方、50代では6回以上が29.3%と最多区分になる。
出典: マイナビ『転職動向調査2024年版(2023年実績)』(https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2024/03/tenshokudoukoutyousa2024.pdf, 閲覧日2026-08-22)
同じ3回でも30代なら平均超え、50代では標準以下で、絶対値で優劣は決まらない。大卒新卒者の33.8%が3年以内に離職する流動性も序盤の分布を押し上げる。出典: 厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)』(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00010.html, 閲覧日2026-08-22)

採用側が気にするのは3回目から
採用市場での評価基準は明確だ。リクナビNEXT採用実態調査(n=300)では、転職歴を気にし始めるのは3回目が40%で最多、4〜5回から28%、気にしない層15%だった。マイナビ『中途採用状況調査2025年版』(n=1,500)では採用担当者の77.6%が選考時に転職回数を懸念し、20代応募者に対しては「3回以上で採用を躊躇する」が66.4%に達する。
出典: マイナビ『中途採用状況調査2025年版(2024年実績)』n=1,500(https://www.mynavi.jp/news/2025/03/post_48109.html, 閲覧日2026-08-22)
出典: リクナビNEXT『採用実態調査』n=300(https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/5883/, 閲覧日2026-08-22)
懸念の中身は定着リスクで、「やっぱり離職」を経験した企業は39.6%ある。通過条件は一貫したキャリアの意図の説明力だ。昇給率は2回目でピーク、50代で逆転する
年収カーブの形状には実測値がある。厚生労働省『IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業』の転職回数別賃金増加者割合は1回54%、2回61%で2回目が最も高く、3回以降は50%台前半に低下する。
出典: 厚生労働省『IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業』集計(解説記事引用)(https://note.com/light_coyote380/n/nd9999b3044d0, 閲覧日2026-08-22)
年齢軸でも同じ山型だ。令和7年上半期雇用動向調査の転職入職者賃金変動では、全体で増加39.4%対減少31.5%(差+7.9pt)だが、20〜24歳は増加55.5%で差+42.4pt、35〜39歳も+18.0ptとプラスが大きく、50〜54歳△18.2pt、60〜64歳△36.8ptと高齢側で減少が優位だ。| 年齢階級 | 賃金増加−減少 差 |
|---|
| 20〜24歳 | +42.4pt |
| 25〜29歳 | +18.7pt |
| 45〜49歳 | +13.0pt |
| 50〜54歳 | △18.2pt |
出典: 厚生労働省『令和7年上半期雇用動向調査結果の概況』表5(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-1/dl/kekka_gaiyo-03.pdf, 閲覧日2026-08-22)
JILPT『ユースフル労働統計2024』の賃金変動D.I.(1割以上の増減者差)でも2022年の25〜29歳は+14.8、35〜39歳+15.0に対し50〜54歳は△6.8で産業別は情報通信+12.8、建設+10.3がプラス圏、金融△3.8と分かれる。出典: JILPT『ユースフル労働統計2024』17 労働移動に伴う賃金・所得変動 p.254(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2024/documents/useful2024_17_p254_260.pdf, 閲覧日2026-08-22)

回数より効く退職金と生涯賃金の分割
回数以上に年収カーブを削るのは退職金の勤続分割だ。JILPT『ユースフル労働統計2022』推計では、大企業製造業大学卒男性の退職金減少率は25歳転職△7.0%、35歳△40.3%、45歳△48.4%と転職年齢で拡大する。勤続の二分割で長期勤続の退職金水準に届かなくなるためだ。
出典: JILPT『ユースフル労働統計2022』17 転職による退職金減少率 p.268(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2022/documents/useful2022_17_p263-276.pdf, 閲覧日2026-08-22)
ただし生涯賃金ベースの損失は縮小傾向にある。同統計推計では一度だけ転職した場合の生涯賃金減少率は1997年に35歳転職△9.7%だったものが2019年には△4.9%まで縮んだ。リクルートエージェント集計でも賃金1割以上増加は39.3%と過去最高であり、米国で昇給率が2022年の20%超から2025年約7%へ急落したのと対照的に、日本の転職プレミアムは拡大局面にある。出典: インディードリクルートパートナーズ『2025年4-6月期 転職時の賃金変動状況』(https://www.indeedrecruit-partners.co.jp/newsroom/pressrelease/2025/0725_3787/, 閲覧日2026-08-22)

まとめ
分布の標準値は年代で変わり、採用側の警戒線は3回目、昇給率のピークは2回目61%で以降逓減する。20代の転職プレミアム+42.4ptに対し50代はマイナス域に入るため、賃上げ目的の移動は早いほど有利だ。回数を重ねる判断より先に、45歳転職で退職金が半減する勤続分割のコストを計算することが合理的なキャリア設計になる。
まずはキャリアアップAIで履歴書を解析し、次の転職で伸びる自分の市場価値を数値化してみてください。